*反面教師~* - 2008.07.23 Wed
お昼の時間を少し過ぎた頃にデイに着き~

「おはようございまぁす~っ」
と言いながら入っていくと
「おはようございまぁす~っ」
「今日は遅いね~」
「もうお昼だからおはようじゃない~」
とかいろいろな返事が返ってくる~

そんな中でU子さん~
目と目が合っても笑顔が無くて元気が無い~
歩行が困難で車椅子も使用するけれど
平行棒を使用したり
杖を付きながらゆっくりゆっくり1歩1歩の歩行訓練を
頑張っているんだけれど
お家でちょっと転んでから
少し弱気になっちゃったみたい~
それにお手洗いで
車椅子から
便座への移動も
一人で出来ていたのに
ここ数日
便座に座ったあと
ひとりで立ち上がるのが困難になってしまって
ひどく落ち込んでいる~
隣に座って~
「ちゃんとご飯食べたの~?」って聞いたら~
「もうダメだわ~」
「何がダメなの~?」
便座から立ち上がれなくって困っている話を
してくれて~
「無理しなくていいんだよ~
そんな時はブザーを押して職員を呼ばなきゃ~
そしたら飛んでいくよ~」
「ブザーを押したけど来てくれなかった」
「えぇ~~っ?来てくれなかった~?
ブザーが聴こえなかったのかな~?
それはけしからぬ~~」
と冗談ぽく言ったらU子さんの笑顔が戻ってきたけれど~~
ほんとにけしからぬことです~

「そういう時はすっごい大きな声でわめいちゃえ~~」
って言ったら
「だからさっきは大声で呼んだらやっと気が付いてくれた~
大声出したらみんなが一人で出来ないのかって笑うでしょ~?
だからあまりお手洗いにいけない~」
「そんなことで笑わないよ~
もっと大きな声が出せないのかって言うかもしれないけれど~

ダメだよ~お手洗い我慢しちゃ~
お手洗いは代わりに行ってあげれないよ~
大丈夫~U子さんがお手洗いを占領したら他の人が使えないから
ちゃんと見に行くから~~お手洗いジャックしたらだめ~~って
声をかけに行くから~」
って言ったら笑い出した~

この会話を聞いていたパート職員のP子さん~
「だからさっきはブザーを
しっかり押さなかったんでしょ~?
しっかり押したら聴こえるから~」
とブザーをお手洗いから持ってきて
「ほら押してみて~っ」
て言うんだよね~
U子さんが押したらちゃんとメロディが流れてきた~
P子さん曰く~「ほらっ!鳴るじゃない~」
ちょっとちょっとP子さん~ほら~鳴るじゃない~って~
確かになったけれど~

壁に掛けてあるブザーを不自由な身体で
利き手を使って押すのも大変なんだよね~
ここに持ってきて押しやすい状態で押すのとでは
状況が違うでしょ~
それに気が付かなくて駆けつけてあげなかったのは事実~
U子さんにしてみたら今まで出来てたことが
出来なくなっただけでも気分が落ち込むのに~
ましてみられたくないお手洗いの中でのこと~
気が付かなくてごめんなさいね~
が先だと思うんだけど~
ブザーが鳴らなくてもちゃんと声をかけに行くからね~って
どうして言えないんだろう~
U子さんがお手洗いに入って
やっぱりブザーが鳴る時と鳴らない時があるんだよね~
Kさんが気が付いた時は
「中に入るね~」って声をかけて入って行く~
P子さんがブザーに気が付いて介助に入るとき
「入っていいですか~?」って強い口調で叫ぶ~
ちょっとちょっとP子さん~
入っていいですか~って

ほんとうは入って欲しくないけれど
一人で出来ないからブザーを鳴らしたんだよ~
中にいるのは自分だと想像してみて~
中に入っていいですか~って強い口調で言われたら~
ほんとうに哀しくなっちゃう~
こんなことも出来なくなっちゃったのかって~

U子さんが言っていた言葉通り~同じように感じちゃう~
それに~U子さんだけじゃないんだよね~
この会話を聞いている他の利用者の人も
この状況を自分に置き換えているんだよね~
反面教師~
言葉って難しいね~と
P子さんの言葉を聴きながら
いろいろな想いが巡ったのでした~
優しい気持ちになっていくような~

心が穏やかに~なっていくような~

心の不安を溶かしてくれるような~

優しい魔法のような
言葉と言葉のリズム~

そんな魔法が使えたらいいなぁ~

そんな魔法を持ちたいなぁ~

*ランキングに参加しています~クリック嬉しいです~*


スポンサーサイト